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副業人材と「売れるための土台づくり」に取り組んだ3カ月~塩尻市観光センター売店 リバイバルプロジェクト~

こんにちは。のりしお編集部です。

地域課題の複雑化、その解決を担う人材の不足が叫ばれる一方で、企業の副業解禁の流れに後押しされ、本業だけでは得られない挑戦の機会を求めて「地方副業」に関心をもつ都市部の方が増えています。

この両者のニーズをマッチングすることで地域課題の解決を図ろうという取組みが、塩尻市で2020年にはじまった「塩尻市・関係人口創出事業」です。

しかし、事業者・地方自治体の方がいざ副業人材の活用を考えた時に、

「副業で本当に成果があがるの?」
「やってみたいけど時間がない」
「リモート・短期という関わり方で上手くいくの?」
「わざわざ地域の外の人を雇うメリットがあるの?」

こんな不安や疑問から活用に踏み切れないという声も耳にします。

今回は、昨年度のMEGURUプロジェクトで副業人材を活用して課題解決にとりくんだ塩尻市観光協会の鳥羽さんと、塩尻駅前の観光センター売店の現場責任者を勤める倉科さんにインタビューさせていただき、地方副業のリアルを探りました。

  • 事業推進のために副業人材を活用したいと考えている地域の事業者・団体の方

  • 塩尻市で行われている副業人材活用のプロジェクトについて知りたい方

  • 副業で地域にかかわってみたいと思っている方

はぜひ読んでみてください!

売上回復と現場の体制づくりを目指してプロジェクトに参加

ーー「塩尻市・関係人口創出事業」に参加しようと思われた理由は?

鳥羽さん:
民間企業により運営されていた塩尻駅前の観光センター売店を2020年12月に塩尻市観光協会が引き継ぐこととなりました。新型コロナウィルス感染拡大の影響で売上が半減してしまっており、とにかく売上回復を図りたいというのが一番の目的でした。
また、現場スタッフのモチベーションをあげられる体制づくりを行う必要があるということも感じていました。

しかしそんな中でも、自分自身も観光協会の別業務があったり、現場のスタッフも目の前の仕事が忙しかったりと、先々を見据える余裕を持てていない状況で。今回副業人材を募集することで、その時間を意識的につくっていきたいという思いもありました。

テーマオーナーの鳥羽さん

倉科さん:
売店の仕事をする前は観光課でデスクワークをしていて、物販・店舗運営業務はやったことがありませんでした。
売店を運営していくことになりましたが、運営方法を教えてくれたりアドバイスしてくれる人が誰もいない状況でした。他のお店を見て回ったり自分なりに研究をしたりしましたが、店舗ディスプレイや店舗の運営の仕方がそもそも合っているかどうかもわからない手探り状態でした。

ーー参加にあたって、不安や懸念はありませんでしたか?

鳥羽さん:
まず、副業人材活用のプロジェクトと言われても一体何をどうすればよいのかわからなかったのと、日々の業務が忙しい中、時間がとれるのかというのが一番の懸念点でした。

事務局の横山さんが何度も足を運んで話をしてくれ、こちらの状況を把握してくれたうえで一緒に考えてアドバイスしてくれたので、参加してみようと思えました。
プロジェクト期間中も、忙しいなか、彼のサポートがあったからやっていけたと思います。

倉科さん:
不安というか、最初は副業人材活用の仕組みについてお話を聞いてもよくわからなかったです。
ただ、一旦やると決まった限りは、吸収できるものは全て吸収したいという気持ちで臨みました。聞きたいことはとにかくいっぱいありましたので、外部のプロ人材の方と関わる機会なんて今までなかったし、せっかくの機会だから学べるだけ学びたいと思いました。

多様なメンバーと一緒に仕様書作成を通じて課題を整理

ーー「塩尻市・関係人口創出事業」では、副業の求人募集のための「仕様書」を塩尻CxOLabというオンラインコミュニティメンバーと一緒に作成していくわけですが、実際に取り組んでみてどうでしたか?

鳥羽さん:
様々なバックグラウンドをもった方が参加してくれ、彼らと何度も話し合いを重ねてアドバイスをいただくなかで、課題が整理できました。また、観光センター売店を情報発信基地として人が集まる場所にしたいという将来的なビジョンも見えてきました。

みなさん、真剣に「塩尻を良くしたい」という想いをお持ちで、忙しいなか時間を割いて一緒に考えてくれて、本当に感謝しています。
仕様書作成を通じて、それがなければ出会えなかったような方々と知り合え、ご縁ができたのは良かったです。東京でワインのイベントをやったときには皆さんで訪ねてくれて、とても嬉しかったですね。

東京でのワインイベントにて塩尻CxO Labのメンバーと

副業・リモートで「ここまでやってくれるのか」

ーー副業で、しかもリモートでの関わり方という点は、問題になりませんでしたか?

鳥羽さん:
副業といっても、サワノさん(副業人材の方)が片手間ではなく、真剣に取り組んでくれたので、ここまでやってくれるのか、と感謝しかありません。

ディレクションがとにかく上手でした。こういうスケジュールで、連絡方法はこうやってやっていこうなど、計画を全てたててくれ、現場スタッフのやる気を引き出しながら、上手くリードしてくれたと思います。

倉科さん:
普段はリモートでやりとりを行い、月に1度塩尻に足を運んでいただきましたが、仕事を進めるにあたって問題を感じたことは無かったです。
最初に、誰が何の役割を担うのか、日常のやりとりにはどんなツールを使うのが良いか、メッセージには必ず「いいね」を押して確認したことを伝えるなど、細かいとりきめを行いました。

進め方のスケジューリングもサワノさんが全て組んでくださり、その計画書に従って動いていった感じです。
週1回、2時間から2時間半のオンライン会議を行い、何をやったかの報告と、次回何をすべきかの相談や購入すべき物品などの指示をもらうといった感じでした。

ーー実際にどんなことを行ったのですか?

倉科さん:
売れるための土台づくり、ということで、まずはゾーニングの見直しとディスプレイの改善に取り組みました。コンサル的にこうすればいい、ああすればいい、と指示を与えるだけではなく、一緒に手を動かしてくれたのが本当に良かったです。

手作りの模型を使ってレイアウトの考案

ディスプレイの仕方や陳列するもの、棚をカバーする布のサイズや形状まで具体的に指示してくれ、業者への発注の仕方をまとめた細かい仕様書をつくってくれました。
また、店頭にかざる”のぼり”を一からデザインしてオリジナルののぼりを作っていただきました。予算がかけられない、という前提条件に対しても、できる限りコストを押さえた方法を一緒に考えてくれ、カインズに一緒に買い物に行ってDIYで棚を作ったりもしました。

オリジナルデザインののぼり

現場の力をあげていく土台づくりができた

ーー期待していた成果は得られましたか?

倉科さん:
専門家にはいってもらったことで、商品の見せ方で、いかに売上が変わるか具体的な方法を教えてもらえました。
最初の2カ月で計画と準備を行い、最後の1カ月でアドバイスに従ってレイアウト変更をしたばかりなので、売上があがるという目に見える変化はまだ出ていません。

ただ、ワインカステラの宣伝をトイレにはればよいというアドバイスを受け、自分で考えてトイレの個室にポスターを貼ってみたら、複数のお客様に「トイレで見たんだけど」といって商品を買っていただけたり、お声がけいただけたりしました。
改善を加えることでお客さまから実際に反応があったことで、効果が出ているんだと思え、手応えを感じました。

鳥羽さん:
やはり3カ月は短く、駆け足となってしまい、仕様書に書いた全てを達成することはできていません。ただ、3カ月やってみて、今後取り組むべき課題が見えてきたことは大きな成果だったと思います。何をどうすればよいかわからなかった状態から、とにかく”動き出せた”ということに意味があったと思います。

また、現場のスタッフが自分がやったことの成果を感じることで、自ら動くようになる意識の変化が起きたように思います。現場の力を上げることが全ての土台となると思うので、今回のプロジェクトはその良いきっかけとなりました。

現場での打ち合わせの様子

良い人材に出会える選択肢が増える

ーー最後に、今後副業人材の活用を検討していらっしゃる方へのメッセージをお願いします。

鳥羽さん:
知識を持った人、ノウハウもった人がやはり地域内には少なく、また、外部から人一人を雇うだけの予算がとれないという現状があります。
副業で、地域外からスキルをもった人材に関わっていただくことで、良い人材に来てもらえる選択肢が増えることになります。
今回はご縁に恵まれ、本当にラッキーだったと感じています。予算の面でハードルはありますが、今後も継続して関わっていただける方法を考えているところです。

倉科さん:
通常業務をやりながらなので大変だったけれど、濃厚で充実した3カ月でした。
中にいて、日々接している人間だったらわからないことを、外部の人から客観的に見て気付いてもらえることがあったと思います。
サワノさんとは、チームとして一緒にやってきたという感じで、今後も何かあったら相談できるような関係性が結べたと思います。

(取材日:2022年4月7日)

塩尻市では、地方副業に興味がある人材と、副業人材を活用して事業を推進させたい事業者・団体とのマッチングの機会創出に力を入れています。

「のりしお」で最新情報をアップしていきますので、ぜひチェックしてください!

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