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「のりしお」生みの親にとって「塩尻は貢献できる、居心地のいいサードプレイス」

ライター・編集者として、地域副業の取材を続けてきた杉山直隆さん。
2021年、自身も塩尻の関係人口として、地域副業に参加しました。
「塩尻の情報を発信する」という使命を受けて、当サイト「のりしお」のリリースを全面的にバックアップしました。

「塩尻には、僕を最大限活かそうとしてくれる雰囲気がありました。こんなにも受け入れてくれるのか、期待してくれるのか。そう感じられて活動しやすかったです。」
副業人材として活動が終わった今でも、出会った仲間と交流が続いたり、塩尻のイベントに参加したりと、塩尻との関係性をもっと深堀りしています。

「のりしおな人」第4回は、「塩尻はサードプレイス」と言う杉山さんに、「のりしお」誕生までのお話を伺いました。(取材日:2022年3月28日)

【プロフィール】
すぎやま・なおたか 
1975年東京都生まれ。専修大学法学部卒業後、経済系編集プロダクションで雑誌や書籍などの編集・執筆を20年ほど手がけ、2016年5月に独立。(株)オフィス解体新書を設立。
『週刊東洋経済』『NewsPicks』『THE21』『PIVOT』『しんきん経営情報』などで記事を執筆している。30~40代の社外挑戦を後押しするWebメディア「30sta!(サティスタ)」(http://30sta.com/)編集長。

「塩尻CxO Lab」に参加。副業のチャンスを見つける

ーー塩尻との出会いは何だったのでしょうか?

ライターとして、地域副業について取材することが多く、記事に説得力を持たせるために、自分でも参加したいと思っていました。
実は2019年に、塩尻の取り組みを取材していて、それ以来、塩尻には注目していました。
2021年、副業ではないのですが「塩尻CxOLab」という地域課題を解決するコミュニティの存在を知って、地域にリアルに関われることに魅力を感じて応募しました。

▼編集長を務めるWebメディア「30sta!(サティスタ)」に掲載された「塩尻CxOLab」の記事:

「塩尻CxOLab」で用意された地域課題プロジェクトは全部で3つ。そのうち塩尻駅前にある売店のリニューアルプロジェクトに参加しました。普段の仕事では、自分が小売業に携わることはありません。新しい経験ができる機会でしたね。

ーーその後、本サイト「のりしお」立ち上げに携わった経緯を教えてください。

「塩尻CxOLab」では、副業人材に仕事をお願いするための仕様書を作ることがゴールです。実際に手を動かす作業は、副業人材に委ねられます。売店のリニューアルプロジェクトは、仕様書に従って店舗デザインができる副業人材を募集することになりました。

ほかのプロジェクトの仕様書はどんなものだろう?と見てみたところ、「塩尻のいまを可視化」する「Webメディアプロデューサー」の募集がありました。
塩尻は、関係人口創出について、いろんな取り組みをしていますが、それを発信するメディアがない。情報発信なら、僕の専門分野ですので、お手伝いできると考えました。

▼日本仕事百貨の副業人材募集記事:

ーー「Webメディアプロデューサー」の副業人材募集がかかってから、杉山さんの応募は早かったと聞いています。

僕も、塩尻の取り組みを周知できていないのは「もったいない」と感じていたんですよね。そして面白そうだな、と。
自治体の発信の経験はなかったので、新しい仕事ができることにワクワクしました。

あとは「塩尻CxO Lab」に参加したことで、塩尻に愛着が湧いていたんですね。心から携わりたいと思いました。

「のりしお」立ち上げを担当。深い関係性も築けた。

ーー「塩尻のいまを可視化」するために生まれた「のりしお」。リリースまでどのようなことをされたのでしょうか?

副業期間は3ヶ月。どんなコンセプトで、どんな記事を作るべきなのか、テーマオーナーの上田直子さんをはじめとする塩尻市の方々、コワーキングスペースでコミュニティ運営に携わっていたもう一人の副業人材の方とも一緒に、オンラインで毎週話し合いました。
今後、直子さんが編集者として運営していくので、サイトの土台をしっかり完成させたいと思っていました。

ーーオンラインミーティングで進めましたが、いかがでしたか?

オンラインでも、毎週話すとだんだん人となりが分かってくるもので、深い関係性を作れたと思います。
やりにくいと思ったことは、ありませんでした。

課題について、1回きりのワークショップ的なものじゃなくて、3ヶ月間仕事として話し合えたのが良かったです。同じ釜の飯を食べた戦友のような絆が生まれますよね。

オンラインミーティングの様子

嬉しい想定外。塩尻の、人を受け入れる空気感。

ーー副業として塩尻に携わって、想定外だったことはありましたか?

まだ出会って1年も経っていない僕の意見を、すごく聞いてもらえたことです。

最初は、「僕がアイディアを出して、最終決定はテーマオーナーの直子さんにしてもらおう」と考えていたのですが、当時塩尻市役所にいた山田崇さんに「杉山さんに最終決定までやってほしい」と言われたんです。
「話は聞いた、あとは市でやります」じゃないんですね。「ここまで権限があっていいのかなぁ」と、心配になるくらい意見を活かしてもらえたんです。

結局3ヶ月間フルスロットルで、記事だけでなく「のりしお」の名付けから、ロゴづくりまで、まるごと好き放題にやらせてもらっちゃいました。

塩尻在住のデザイナー・川口純さんと一緒に考えた「のりしお」のロゴ

ーー本業も従事されながら、サイトづくり全体を担当するほど、副業に熱意を持てたんですね。

大前提として、塩尻の方がプロジェクトに対して一生懸命に頑張っている姿が見えていたので、役に立ちたいと思いました。

そして、僕を受け入れてもらえている、頼りにしてもらえている、と感じられたことも大きかったです。

ミーティングは話しやすい空気感で、僕の発言をまとめてくれたり、Slackの返信を早くいただけたりと、打てば響く仕事って、やっぱり楽しい。期待していただけることはありがたいし、嬉しいものです。応えたいと思うのは当然のことですね。

地域に入ったからこそ、分かるものがある

ーー杉山さんがプロジェクト進行で気をつけていたことはありますか?

臆せず意見を発言したり、自分で情報を取りに行ったりするようにしていました。期間が短いので、受け身でいたら何も得られずに終わってしまいます。

僕は塩尻駅の周辺をぐるっと歩いたり、飲食店に入ったり、特産品を買ってみたりと、なるべく地域に住む方と同じ絵を見られるように努めたつもりです。僕たちのような関係人口は、同じ絵が見えていなくて話がズレることって、よくあると思うんですよね。そして塩尻の方に見せてもらうんじゃなくて、自分で見に行かないと。

ーーそのほか、地域での活動をしたいと思っている方に、アドバイスはありますか?

自分に役立つかどうかにこだわらず、少しでも気になったものには、どんどん入っていくのをオススメします。
僕は「塩尻CxO Lab」に関わっていなかったら、この「のりしお」立ち上げの副業募集には気づけなかったと思うんですよね。中に入らないと見つけられないチャンスってあると思います。

今、僕は塩尻ワインのコミュニティヴィンヤードに参加しています。ワイン用のぶどう畑をゼロから作り出すプロジェクトで、クラウドファンディングでお金を出すだけでなく、自分たちも畑作業に加わります。
塩尻で活動をしているなかで、この話を教えてもらったのです。ワインはそんなに好きじゃなかったのですが、塩尻に関われるなら、と入りました。
その影響で、最近は自分でワインを買ってよく飲むほどになりました。

▼コミュニティヴィンヤードのクラウドファンディング募集記事:

塩尻は、仲間と出会えた居心地の良いサードプレイス

ーー最後に、塩尻での活動で得られたものを教えてください。

いろんなバックグラウンドを持つ参加者と、たくさん出会えたことです。
どういう方が、何を考えて参加されているのかなど、いろんな話が聞けたことは財産ですね。

ここで出会えた方を取材して書いた記事もありますよ。いろんなバックグラウンドを持つ方の話を聞けることは、ライターとしてではなく、ほかの仕事においても、きっと役立ちますよね。

あとは、サードプレイスを手に入れたことでしょうか。

ーーサードプレイスですか?

塩尻は、仲間に入りやすくて、受け入れてもらえる空気感があります。だからこそ意見も言いやすくて活動しやすい、貢献できる場所。
「ここに存在していい」と思えますね。

今、僕は東京に住んでいて、生活には特に不満もないのですが、仕事や家庭以外の第3の居場所は必要だと感じていました。
僕にとって、塩尻が居心地の良いサードプレイスになりました。

今後も、塩尻の情報を追いかけて、塩尻との関係性を深堀りするつもりです。これからワインを買うんだったら、塩尻産を手に取りますし、ワイン畑づくりなどで足を運ぶ予定です。
子供も連れてきて、家族で塩尻の魅力を楽しみたいと思っています。

(取材・構成/竹中 唯)

CxOLabの他にも、塩尻には市内だけでなく市外の皆様にも関わっていただけるような、さまざまなプロジェクトがあります。
「のりしお」で最新情報をアップしていきますので、ぜひチェックしてください!

▼のりしおな人 第1回:

▼のりしおな人 第2回:

▼のりしおな人 第3回:


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