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副業×地域課題解決:関係人口創出事業・MEGURUフォーラム開催後記

こんにちは、のりしお編集部です。

2022年2月26日(土)、塩尻市・関係人口創出事業の報告会が開催されました。

今回の記事では、塩尻市の3年間の関係人口創出事業の歩みと、2021年度の塩尻市・関係人口創出事業4つのテーマの取組みについての報告内容を振り返ります。

塩尻市関係人口創出事業の歩み

塩尻市は、2019年より、複雑化する地方自治体や地域の中小企業の課題に対し、副業で地域にかかわることに関心をもつ都市部の個人を迎え入れて解決を図る「関係人口創出事業」に取り組んできました。

翌年2020年には、オンラインコミュニティ「塩尻CxO Lab」メンバーと共に課題を明確化するための「仕様書」を作成し、課題解決に取り組む副業人材を募集、採用された副業人材がリモート・3カ月で実際の課題課題にとりくむ、塩尻市・関係人口創出事業がスタートします。

塩尻市関係人口創出事業=MEGURUプロジェクト

2021年度の塩尻市・関係人口創出事業では、4つのテーマで地域課題の解決に取り組みました。

報告会では、4つのテーマそれぞれのテーマオーナーと副業で伴走していただいたプロフェッショナル人材の方々に登壇いただき、実際に取り組んだ内容・成果についてお話していただきました。

塩尻市・関係人口創出事業2021:4つのテーマ実施報告

1.持続可能なアーティストインレジデンス事業の構築

平出遺跡にて

アートによる地域創生を目的にANAホールディングス(株)のプロジェクトとして塩尻を舞台に展開されているアーティストインレジデンス。
今年で2年目となったこのプロジェクトを、今後どうすれば地域で自走しながら持続していくことができるのか?

この課題に対して、副業でかかわってくださったヒロイクミさん、岸本麻⾐さんのお二人が、滞在したアーティストや地域のステークホルダー11人にインタビューを行い、塩尻らしさへの気付き、次回に向けた期待や改善点、地域にとっての価値などを探りました。

11人の関係者へのインタビューで見えてきたこと

インタビューを通じて、①目指すべき姿が関係者のなかで統一されていない、②アートインレジデンスの活動が地域の中で認知されていない、という二つの課題が見えてきたと言います。

今後に向けての提言として、①主催者側が気にとめるべき事項の整理とチェックリストの制作、②認知向上にむけたのりしお(noteポータルサイト)への掲載とタブロイド紙の制作、を挙げていただきました。

このプロジェクトに関わる中で、「走りながら考える、アジャイル的な取り組み方が塩尻的だと感じた。」とヒロイさん。
3カ月という短い期間のなかでしたが、次につながるアクションが見えてきたことは大きな成果だったと感じます。

インタビューの内容は、今後こちらのnoteに順次掲載していく予定です。

▼ANA meets ART COM|塩尻アーティストインレジデンス/アートワーケーション:https://www.ana.co.jp/ja/jp/domestic/promotions/ana_art_com/

2.木曽平沢の日々別荘を中心とした滞在型コンテンツ開発

塩尻市木曽平沢にある日々別荘

古くから漆芸の町として栄えた木曽平沢にある築90年の和洋折衷のモダンな木造建築。長年空き家だったこの建物が、空き家活用や街おこし事業の一環で再利用されることが決まり、2020年に宿泊可能な多機能型コミュニティー施設「日々別荘」として生まれ変わりました。

家守をつとめるテーマオーナーの近藤さんは、日々別荘の運営にあたって、地域を活性化させていくことにつながる効果的な活用方法が見出せていないことに課題感を感じ、たくさんのモヤモヤを抱えていたそうです。

今回のプロジェクトでは、そのモヤモヤを言語化できるまでオンラインサロン「塩尻CxOLab」のメンバーと壁打ちを繰り返し、一枚の仕様書に仕上げることができたのが何よりの財産となった、と近藤さんは言います。

2名のプロフェッショナル人材の方々に副業で伴走していただいた期間は、オペレーションやサービス内容の設計、運営の数値目標について具体的なアドバイを受け、改善にとりくみました。
また、将来どうありたいのかというコンセプト設計についてもじっくりと壁打ちをいただき、大きなヒントがいただけだそうです。

2022年夏休み期間に向けて、新たにインターンシップの企画も進行中とのこと。
3月には1周年を迎えて新たに始動する日々別荘の、今後の動向にご期待ください!

▼日々別荘ホームページ:

3.塩尻市観光センター売店 リバイバルプロジェクト

塩尻市観光センター売店

塩尻市観光センター売店は、塩尻駅東口にあり、観光案内所や休憩スペース、喫茶店なども併設された建物です。
周辺エリアへのアクセスが良好な塩尻駅は観光バスの拠点駅という位置付けでもあり、新型コロナウイルス感染拡大前は、駅前にあるこの売店を利用する旅行者・県外在住者も大勢いました。

民間企業により運営されていたこの売店を、塩尻市観光協会が引き継ぐこととなったのが2020年12月のこと。
コロナ禍の影響で売上が半減してしまった売店をリバイバル(=再生)し、塩尻市のモノ・コトの魅力を発信する情報発信基地となること、売上を回復させることを目指し、今回のプロジェクトがはじまりました。

副業でかかわってくださったのは、デザイン、クリエイティブディレクションを専門とされるサワノエミさん。
「これは終わりのないプロジェクトだ」
「日々、目にみえる成果でモチベーションを上げてほしい」
テーマオーナーに最初に言われたこの二つの言葉を念頭に、現場スタッフとともに”売れるための土台づくり”に取り組んだと言います。

手作りの模型を使ってレイアウトの考案

「小さな積み重ねの結果、スタッフ全員が改善の効果を実感できている」と現場責任者の倉科さん。

「終わりのないプロジェクト」は、今後もつづきます。
これからどんどんリバイバルしていく塩尻市観光センター売店、塩尻にお越しの際は、ぜひ訪れてみてください!

▼塩尻市観光センター:

4.ごちゃ混ぜ感満載の塩尻の「いま」を可視化!ファンベースな関係人口創出プロジェクト

多様な人が集うシビック・イノベーション拠点「スナバ」

他自治体に先駆けて官民連携の取組みを推進してきた塩尻市では、これまでたくさんの仮説と検証を繰り返し、地域内外の多様な人々が協働するプロジェクトを生み出してきました。

地域のプレーヤーと地域外の人がごちゃまぜに混ざりあい、予想外の相乗効果が働いて、想いもよらなかった良い変化が生まれる。
それが地域の魅力となってさらに人を引きつける。
こうした流れをますます加速し、持続可能なものとしていくことができないか。

その仕組みづくりの一つとして、今回のプロジェクトでは、いま起こっていることを可視化して、地域内外に発信するポータルサイトの立ち上げに取り組みました。

プロのライターで副業をテーマとしたご自身のメディア運営もされている杉山直隆さん、コワーキングスペースでコミュニティ運営に携わっていた國保まなみさんのお二人にコンセプト設計から実際の記事執筆までご支援いただき、まさに今お読みいただいている、のりしお(乗り出せ!塩尻関係人口ポータル)が誕生したのです。

ちなみに、”のりしお”には、「塩尻を誰でも気軽に味わえる」「地域課題解決に乗り出す」「自分の壁を乗り越える」「ノリノリで楽しめる」などの意味が込められています。

「軽い内容でもよいので、こまめに発信していく」
「色んな情報がはいっていることが大事」
と杉山さんは言います。

地道にコツコツと継続し、育てていければと思いますので、ぜひ今後も”のりしお”をよろしくおねがします!

▼のりしお(乗り出せ!塩尻関係人口ポータル)

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▼報告会のアーカイブはこちらからご視聴いただけます:

▼塩尻市・関係人口創出事業の詳細についてはこちらの記事もご覧ください:





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