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塩尻CxO Lab現地フィールドワークvol.2~贄川エリア~

こんにちは、のりしお編集部・助っ人ライターの松井です。

今回は、2022年10月1日~2日に行われた関係人口コミュニティ「塩尻CxO Lab」の現地フィールドワーク第二弾の様子をお届けします!

フィールドワークでは、「現地を訪れ、そこで活躍する地域プレーヤーと接することで地域の魅力や課題(=関わりしろ)を発見する」ことを目的に、伝統工芸・市内中心エリア活性化・空き家利活用・農業の4つのテーマを設け、数名のグループに分かれて市内各地を訪れました。

この記事では、古旅館をリノベーションしたシェアハウスを営むたつみかずきさんに案内いただき、空き家利活用をテーマに贄川エリアで行ったフィールドワークの様子をお届けします。

贄川エリア

まず、塩尻駅最寄りの塩尻市市民交流センター(えんぱーく)に集合し、チェックインを行った後、チームに分かれて贄川エリアに向かいました。

前日のフィールドワークや懇親会を経て、塩尻CxO Labメンバー通しの距離感も縮まった状態で、2日目も天気に恵まれる中、贄川駅にまず向かいます。

20分程度車を走らせると贄川駅に到着。駅舎を軽く見学した後、本日案内いただく、たつみかずきさんと合流します。

その後、塩尻CxO Labメンバーの自己紹介を簡単に行った後、駅舎について説明いただき、駅から歩いてすぐの関所亭に移動します。

贄川駅に隣接する地域の交流拠点 ~関所亭~

案内いただいた場所は、JR贄川駅南側に隣接し、そば店「関所亭」だった店舗で、現在は飲食店としての機能を持ったコミュニティースペースとして再生する取り組みを進められている場所でした。

「地域のおじちゃん達が一杯やる場所がないんだよね~」と語るたつみさん。地域の方々に、かつてのこの場所の思い出を聞いていくと、地域の寄り合い所として使われいたという話も沢山出てきたようです。

また、近くには信州リハビリテーション専門学校という学校もあり、学生がいるが、現状は電車の時間まで学校にいて、電車の出発の時間が近づくと、走って駅まで向かっているような状況のようで、そういった学生たちも寄れて、地域の人と話すような場所にしたいということをイメージしているようです。

信州の地域紙である市民タイムスでも、関所亭の交流拠点再生について取り上げられています。



また、この贄川駅のような、駅と駐車場が隣接してる空間は他になかなか無く、そういった特徴も含めて、活用方法を考えていかれている最中のようでした。


旅する古物商 hito.to

次に、「旅する古物商 hito.to」を案内いただきました。

この場所は、100年ほど前に建てられた倉庫で、BYAKU Naraiという宿を立ち上げられる際に、倉庫や作業所として使われていたようで、そのプロジェクトに関わっていたたつみさんが、この場所を利用することになったようです。

毎月25日周辺の数日間に「倉庫の日」と題して、倉庫を解放し古家具/建築古材/建具/板/什器/食器などの​日本の古いモノや、海外買付アンティークにベトナム バッチャン焼きなど販売しているそうで、中には県外など遠方からいらっしゃる方もいらっしゃるようです。

また、最近では、Instagramのアカウントでライブ配信をすることで、そこから商品の購入につながることも多いようです。


先日も、カナダへ買い付けに行かれていたというたつみさん。

海外からの買い付け以外にも、地域の家の片付けに行った際に、引き取ってきた物を多く存在していました。

このような形で、地域の活動と倉庫の活動、一見関係が薄く見えることも、密接に関わっているとたつみさんは語ります。

古民家を活用したシェアハウス ~坂勘

次は、たつみさんが運営されているシェアハウス坂勘にお邪魔しました。

江戸時代に西の都と東の都を繋いだ中山道(なかせんどう/日本五街道の一つ)の宿場町贄川宿(にえかわしゅく)の古旅館。家の主人が「諏訪坂勘助」という名を代々襲名し、宿と商店を営んでいたお家で、近所の人はこの家のことを、諏訪坂勘助の略称「坂勘」と呼んでいたようです。

先代が亡くなりしばらくの間空き家となっていたこの家を2019年4月よりご縁をいただきお借りすることになり、途絶えてしまった「坂勘」の名を、この家に改めて名付けることにしたようです。

入口から中に入り、坂勘の内部も案内していただきました。リノベーションをして旅館の趣きから変わっているところもあれば、旅館の頃の形が残っている場所も存在しました。

シェアメンバーに加え、ADDressという多拠点生活プラットフォームに坂勘が登録していることもあり、常時人の出入りが多くあり、最初に訪問した関所亭は、坂勘から見た時に、「坂勘のリビングの拡張」という狙いもあるようです。

他にも、たつみさんに、「贄川という地で、どのように関係性を築いていったのか?」という話も伺いました。

特別なことはそこまでしていないという風におっしゃっていましたが、日常の挨拶をしたりという基本的なことから、雪が積もった日は近くの地域も含めて雪かきを実施したり、地域のお祭りである御柱祭で坂勘メンバー総出で御柱を曳いたりしていく中で、関係性が出来ていっているようです。

定期的に、空き家の片付けをイベント的に実施されている中で、「いかに多くの人に関わってもらえるか?」というのを考えられているたつみさん。自分自身が手を動かすというよりは、多くの人を巻き込む設計づくりが大事で、その設計部分を考えられているとお話されていました。

坂勘をお借りするタイミングや、空き家の片づけをする際に起きているエピソードについても、いくつか紹介いただきました。

空き家を片づけていく中で、「このタンスはね・・」というような形で、その物に関してのエピソードを聞く機会があるとお話されており、ある種「お別れの儀式に立ち会う感覚」とおっしゃっていました。

また、古く残っているものは「誰に使い続けられている」という点や、「使ってないとしても捨てないという選択をし続けられてきた」という点で「古いものはえらい」ということもおっしゃっており、シンプルでありながら残る言葉でした。

地域の課題が沢山ある中で、「関わりしろは沢山存在する」のは事実ではあるものの、その一方で「関わりしろを一つずつ用意するのは大変」であると、たつみさんは語っていました。

関わりしろを用意する前に、「こういうことをやりたいです」「何ができるか現時点では分からないですが、この活動に時間を使いたいです」という意志を地域の訪れる人が示すことで、より深く活動に入っていくことができるということを、たつみさんの言葉から感じました。

安くてうまい食のデパート ~食堂SS

フィールドワークの締めとして、「食堂SS」に到着。

木曽路のトラックドライバーに愛され続けるロードサイドレストランで、「安くてうまい食のデパート」というメッセージが目を惹きます。中に入ると、お客さんが沢山利用されていました。

たつみさんにも参加いただき、フィールドワークの振り返り的な話もしながら、塩尻CxO LabメンバーがCxO Labに参加するきっかけなどの話をした上で、今後どういう生き方をしていきたいか?という話で盛り上がりました。

こうして半日のフィールドワークを終え、集合場所である塩尻市市民交流センター(えんぱーく)に戻り、市街地にまた舞台を移します。

(文・写真 Takahiro Matsui


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