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新たなフェーズを迎える塩尻市・関係人口創出事業 ~報告会開催レポート~

こんにちは、のりしお編集部です。

2023年11月19日(日)、塩尻市・大門商店街の一角がたくさんの人で賑わいました。

この日は、商店街に新たにつくられる「滞在型交流拠点en.to」のシェアハウスの一部を、地域のみなさんや、将来ここに集う仲間となる地域外の方々にお披露目するプレオープンイベントの開催日でした。

私たちが行っている塩尻市・関係人口創出事業では、未来の活動拠点ともなるこの場所で、本年度の活動の総まとめとして「塩尻市・関係人口創出事業報告会」を同時開催しました。今回はこの報告会についてレポートします。

塩尻市・関係人口創出事業の活動イメージ図

少しづつ形になってきた空き家活用プロジェクトen.to


商店街のはずれにある長年空き家となっていた元ギフトショップの建物を、人と人が繋がる交流拠点として再生したい。そんな想いをもった地域内外のメンバーが力を結集し、動き出したこのプロジェクト。

▼多くの人の応援を得て480万円を達成したクラウドファンディング:

地域の人や関係人口を巻き込んで、放置されていた空き家の片付けをはじめてから丸二年。
みんなの想いがやっと少しだけ形になったこの空間で、プロジェクトメンバー、地域住民のみなさん、地域外の関係人口の方々、行政関係者・・・50名を超える立場の違う人たちが集まり、膝をつきあわせ、地域の課題やまちの未来について情報や想いを共有し、語り合いました。
まちの人やまちを訪れる人が垣根なく交流することで、新しい何かが生み出される場所 ーー en.toで見てみたいそんな未来の景色を、少しだけ垣間見れたひと時でした。

滞在型交流拠点en.to 一部完成したシェアハウスのリビングスペース

▼プレオープンイベントの様子は地元紙の一面にも取り上げられました:

新たに動き出すTerminal DAO構想

軽食をとりながらの交流会を終えた後、午後からは、塩尻市・関係人口創出事業の事務局チームから、新たな取組み「Terminal DAO」構想についての発表を行いました。

個人の成長と地域の成長の両立を目指して構想されているTerminal DAO

塩尻市では以前より、塩尻に住んではいないけれど塩尻に愛着をもち、様々な形でかかわる人々(関係人口)を増やしていくことに力をいれ、多様な主体の参加によるまちづくりに取り組んできました。

これまで、関係人口と地域住民の協働によって、地域課題解決に繋がるプロジェクトや地域に活気を生む複数の取り組みが生み出されました。
また、関係人口として地域活動にかかわった人々からは、新たな挑戦の場を得て自らの可能性を発見したり、偶発的な交流から新たな仲間を得ることで、自分自身を再発見するような“越境体験”と呼ばれる経験を得ることができたという声が数多く聞かれています。

関係人口として地域にかかわることは、個人にとっても自己実現や自己成長に取り組める意義ある機会であり、ここにこそ地域創生の取組みの未来につながるヒントがあるのではないかと私たちは考えています。

しかし、関係人口が地域とかかわる機会と場の提供や、一度プログラムに参加した方が継続的に関わる関係人口となるうえで、いくつかの課題も見えてきました。

そこで今回、個人の活動データを証明する形としてNFT(Non-Fungible Token)という技術や、自律分散型組織 (Decentraliezd Autonomous Organization : DAO) という枠組みを用いて、この取り組みをさらに発展させ、持続可能なものとするための仕組みづくりを行うことにしました。

見えにくかったものを可視化すること

NFT、Web3、DAO・・・こういった新しいテクノロジーを理解しようとすると頭がフリーズしてしまう、という方も少なくないかもしれません。

一旦、技術的な話を脇に置いて、私たちが目指していることの概念をひとまず簡単に説明させてください。

「見えにくかったものを可視化することによって、”もったいない”を解消すること」

例えば、
「若者が減って地域の祭りの担い手がいなくなってしまう」
という地域住民の課題が可視化されれば、
「地域の祭りに関わりたい」
「地域に知り合いがほしい」
「チラシ制作が得意だから何かに活かしたい」
という人の目にとまり、助け合う関係が生まれていく。

「もう祭りはできないとあきらめていたけど、手伝ってもらうことで実現できることがわかった!」
「地域の祭りに参加するという新たな体験ができた!」
「祭りを通じて知り合いの輪が広がった!」
「自分のスキルを活かして人に喜んでもらえて自信がついた!」

お互いのニーズが結びつき、そこから小さなアクションを通じた関係の輪が生まれ、それが循環していく。

今まで見えにくかったものを見えるようにする仕組みを作ることで、そんな未来が実現すると考えると、ワクワクしませんか?

見えにくかったモノやコトを見える化し、自律して動かしていくためのツールや仕組みがDAO・NFTである。そんな仮説のもとはじまったのが、今回のTerminal DAOの取組みなのです。

▼参考とした山古志村のDAOを用いた地域づくりの事例:

Terminal DAOとはどんな場所?

Terminal という名前には、空港のターミナルのように、たくさんの関係性の交差点となり、越境するための起点となる場所という意味が込められています。

私たちは、そこで形成されるコミュニティを、参加する人たちが人と人との繫がりの中で成長して自分の可能性を見出していける場所=「フォースプレイス」にしたい、と考えています。

Terminal DAOイメージ図

フォースプレイスをつくることで自分の可能性を見出し、生き生きと前向きに生きる人が増えていきます。

その人たちが関わる地域社会はより活気に満ちた魅力ある場所になり、そこにまた自己実現の場を求める人が集まるという循環が生まれます。
 
そして、人と地域が持続的に成長していく循環を生みだすことで、個人の幸せと地域社会の活性化の両立に寄与すると考えています。

Terminal DAO今後の展望

来年4月のDAO組成・運用開始を目指し、ファウンダーメンバーが日夜議論を重ね、準備を進めています。

より具体的な取組み内容や今後の進捗についても、随時レポートしていきたいと思います。どうぞお楽しみに!

▼塩尻市・関係人口創出事業について気になった方はこちらの記事もご覧ください。